華が助手席に乗るとすぐに隆弘は運転席の方へ回る。自分も乗り込むとすぐにエンジンをかけて暖房を強にした。
「すぐあったまるから」
そう言いながら暖房の風が華の方へ行くように調節している。
「ありがとう。」
「おう。」
そっけない返事の中にも隆弘の温かさが込められていて、華は小さく微笑んだ。
隆弘は華からココアを預かると缶の蓋を開けて華の手に再び返した。
飲み物を置けるようにドリンクホルダーを出す。
「ありがとう・・・」
「行くぞ。」
「うん・・・」


華は隆弘の優しさがいつも怖い。