「華!こっち」
華は飲み会会場に入るとすぐに友達に名前を呼ばれた。
手をあげて華を呼んでいる友達のそばにはすでに10数名の男女が座っている。ほとんど知っている顔だ。その中に華は隆弘を探す。

まだ、隆弘は来ていなかった。

「華ちゃんはここね?」
男子がざわめく。
「華ちゃんは人気者だから、時間で場所交換だから。」
そう言われて愛想笑いしながら華は指定された席に座る。
「何飲む?」
「ウーロン茶で」
「だめ!今日はみんな飲むんだから。」
無理やりアルコールのメニューを見せられながら華がぎこちなく笑顔を返していると
「来たっ」
女子が騒ぎ始めた。
華もその方向を見るとそこには隆弘が数名の男子生徒と一緒に店に入ってくるところだった。