幼なじみの不器用な愛情

うまく言葉が出ずに華は再び黙り込む。

あたりが暗くなり始めていて少し肌寒い風が吹く。

隆弘は華の肩を抱いたまま、華が動き出すのを待った。

「・・・なくなっちゃったんだ・・・」
「・・・」
華が涙を流し始めると隆弘は華の体を自分の胸に抱き寄せた。

言葉はない。

かける言葉が見つからないほど華があまりにもかわいそうで寂しそうな表情をしていた。

ただ黙って華の体を抱きしめ背中をさすり続ける。

華は目を閉じて住んでいたころの記憶を必死にたどった。