幼なじみの不器用な愛情

「華」
隆弘がその肩を抱いた。

華はすぐには言葉が見つからなくて黙り込む。

少しして
「何にもなくなっちゃったんだね・・・・」とつぶやいた。


隆弘は華をここに連れてくるかどうするか悩んだ。それでも現実を早かれ遅かれ知ることになるのなら自分が隣にいるときに、一緒に現実を向き合ってほしいと思い華を連れてきた。

「3年前に取り壊したんだ。」
「おばさんは新しい持ち主が少し家を直すだけで、建て替えずに住んでくれるって言ってた・・・」
「・・・」
華は、はじめておばの話が嘘だったことを知った。