それが華が自身で身に着けた、自分を守る方法だった。



隆弘は車を停めて自宅へ戻った。

自分の部屋に入り車のカギを机に置くとベッドに横になり天井を見上げた。

大きく深呼吸をする。


たった一人で自分を待っていた華の姿が思い浮かぶ。
華奢な体を震わせて自分を待っていた華。

隆弘は想いを打ち切るようにギュッと目を閉じた。
その時「あんた、何しに行ってたの?」と母が隆弘の部屋に入ってきた。

「ノックをしろよ」
「カレーは?」
「・・・あっ忘れた。」
「しっかりしなさいよ。早く持っていきなさい。」