汗ばむ季節のせいで、せっかく着替えたばかりの服に汗が滲む。

服に張り付く嫌な感覚に、私は顔を歪めた。


「雪愛〜」


名前を呼ばれ振り返ると、友人が大きく手を振って駆け寄ってくる。

その額には、じんわりと雫が吹き出ていた。


『おはよ』


軽く挨拶をして前を向く。
友人の神木 瞳は隣に並んで同じく歩き始めた。