Dangerous boy

環奈があんなに好きだった人と、今は恋人同士だなんて。

「その人とは、もう付き合ってるの?」

「うん?」

はっきり”うん”と言えなかったのは、相手が環奈だったからだろうか。


「で?どんな感じ?」

「何が?」

「何がって、体の相性よ!」

そして環奈に腕を突かれたけれど、その手の事はまだ分からない。

「あれ?まだだった?」

「そう言うのって、焦っても仕方ないでしょ。」

私は後ろの棚から、過去の資料のファイルを取り出した。

環奈は、そんな私を追いかけてくる。


「そう言うのはさ、早めに知っておいた方がいいよ。」

「そうなの?」

「ある程度好きになってから、体の相性が合いませんでしたじゃ、気まずいでしょ。」


私は資料を見ながら、ふと尚太君の体を思い出した。

引き締まった筋肉。

扇情的な眼差し。

それで体の相性が合わなかったら、何を基準にして、男を選べばいいのだろう。