Dangerous boy

まだ、私と部長の間を疑っている環奈には申し訳ないんだけど、私の中ではもう部長は、過去の人になりつつある。

今は、余計な事を考えずに、尚太君の事だけを考えたい。


「そっか。だったら、私が部長を狙っちゃおうかな。」

「ええっ?」

この前は、尚太君の事が忘れられないと、泣き叫んでいた環奈。

もう新しい人を探すって、気持ちの切り替え、早すぎはしませんか?

「ウソよ。」

「ウソ?」

「そう言ったら、心はどんな反応するかなって、ちょっと思っただけ。」

とんでもない悪戯をするなと、ため息をついていると、環奈は私の後ろから、手を回してきた。

「その反応だと、部長は全く関係ないみたいだね。」

「だから、そう言ったでしょ?」


私がそう言うと、環奈は面白くなさそうな表情をした。

「じゃあ、誰なんだろう。心の相手。」

私は、なんとなく手を止めた。


言えない。