Dangerous boy

「俺も仕事だし。早く帰って、寝ないと。」

言葉と体が、合っていないって、どうして分かるんだろう。

「そっか。残念。」

私なりに、もっと一緒にいたいなって事を、アピールする。

「俺も、残念。」


見つめ合った先に、一つの欲求が生まれる。

もっと、尚太君に近づきたい。


「キスしたい……」

言葉に出た欲求を、尚太君も受け入れてくれた。

「俺も。」

どちらからともなく近づいて、私は尚太君の首元に、しがみついた。


重ねた唇は、直ぐに上下に動いて、お互いの舌を絡めとった。

「はぁ……」

唇を放した後も、残る余韻。

「心、キス上手いね。」

「尚太君の方が、上手いよ。」

比べたら悪いけれど、部長の時よりも、気持ちが入って、このまま見つめ合っていたい気分になった。


でもそんな事、今はできない。

お互い、名残惜しそうそうに離れて、なんとなくバイバイと、手を振った。