Dangerous boy

「夕食は外がいい?家の中がいい?」

「どちらでも。」

「だったら、俺は心の手料理、食べたいな。」

見つめ合うその瞳と、握られた手から、温かい物が伝わってくる。


「近くのスーパーで、買い物して。家に帰ったら、一緒に料理しようか。」

「それじゃあ、私の手料理にならないじゃない?」

「あっ、そうか。」

下らない事で、二人言い合って、見つめ合って、笑い合って、そんな他愛のない事に、幸せを感じる。


「じゃあ、そろそろ。俺、帰るわ。」

尚太君が、急にソワソワし始める。

まだ付き合ったばかりなのに、分かる。

帰りたくないのに、帰らなければならない感じ。


私は、いつもの尚太君のセリフを、逆に言ってあげた。

「もう、帰るの?」

案の定、嬉しそうな顔してる。

「うん。」

でも、返ってきた答えは、素っ気ない。


「心、明日も仕事でしょ?」

「そうだね。」