Dangerous boy

マンションを出て、しばらく歩くと、尚太君の姿を見つけた。

「尚太君!」

彼を呼ぶと、嬉しそうに手を挙げている。


公園の中に入って、尚太君が待っている、ブランコの前に行った。

「会いに来てくれたんだ。」

「うん。一週間も心の顔見ないなんて、かなりキツイ。」

同じ気持ちなんだと言う事に嬉しくなって、二人で顔を合わせながら、笑い合った。

「お店は、終わり?」

「うん。週の半ばはお客さん、あんまり来ないから、店終わるのも早いんだ。」

私はさりげなく、尚太君の隣に陣取る。


「ねえ、心。抱きしめてもいい?」

「うん。」

そう答えたら、尚太君は早速、私を横からぎゅうっと抱きしめてくれた。

「心、いい匂いがする。」

「ああ……お風呂入ってきたから。」

そう言うと尚太君は、反対側の私の髪を、手に取った。

「そうか、シャンプーの匂いか。」

「そうかも。」