Dangerous boy

そして尚太君は、奥の席に同級生の女の子を、誘導した。

「モテるでしょ、尚太。」

いつの間にか、オーナーが近くに立っていた。

「基本、誰にでも優しいから、誤解する子は誤解するんだよね。」

私の胸の奥が、ズキッなる。


「心ちゃん、尚太の彼女なんだって?」

私は、自信なく頷いた。

「……一応。」

「だったら、尚太のそう言うところ、許してやって。」

そう言うところと言うのは、どの女でも、優しくするところだろうか。

「はい。」

納得したような演技をして、私は返事をした。

本当は、そんなの嫌なのに。


「安心して。尚太は心ちゃんの事、本気で好きだよ。」

オーナーの小暮さんは、私にニコッと笑った。

「音緒ちゃんが言ってたのは、本当。尚太は来る者拒まないんだ。でも、一番大事な人は、あいつは分かっている。そこは尊敬するよ。」

私は、振り返って尚太君を見た。