同僚の環奈が、好きで付き合っていた人が、尚太君。

そして、付き合っていたと見せかけて、環奈を捨てた尚太君。


「はぁ……」

家に帰ってきても、ため息しかない。

環奈は私が帰る時に、こんな事も言っていた。


『心は、sunsetに行った事ある?』

『えっ?』

正直にうんって言えなくて、返事を濁した。

『もし行った事があるんだったら、宮島尚太にだけは、近づかない方がいい。』

環奈の険しい表情に、ゾクッとする。

『あいつの周りには常に女がいて、あいつに抱かれることを、隙を見ては狙っているのよ。』

一瞬、息が止まる。

『近づいたら、絶対あいつに捕まる。それくらい危険な男。』

環奈に見つからないように、唇を噛み締めた。

まさか尚太君が、そんな人だったなんて。


そして、最後に環奈はこんな事も言っていた。

『いい?心、絶対忘れないでよ。』

『うん……』


『あいつは、女を虜にさせる、悪魔なんだから。』