Dangerous boy

「お疲れ様でした。」

私が頭を下げると、部長は寂しそうな表情をした。

「ここでお疲れ様かよ。」

「あっ、いや……」

「外まで送らせてくれよ。せめて週末、一緒にいれないんだったら。」

その切なそうな顔に、また胸がドキドキする。


そうだ。

付き合ったら、週末部長の家に、泊りに行く事もあるんだよね。

そんな事を考えたら、なぜだか分からないけれど、不安になってきた。


そうしているうちに、エレベーターがやってくる。

シーンと静まり返る中、私と部長が、一緒にエレベーターに乗る。

そして、私は少し気になった事を、部長に尋ねた。

「部長は、結婚とか考えてるんですか?」

「ああ、考えてるよ。」

顔を上げると、その目は真っすぐに、私を見つめている。

急に肩が重くなって、私は反対側を向いた。


「でも、誰でもいい訳じゃないから、本当に結婚したいと思った奴と結婚する。」