Dangerous boy

私がそう言うと、部長もパソコンを閉じて、背伸びをした。

「何だ。てっきり俺と二人きりになりたいのかと、思った。」

「えっ!!」

私の体が固まる。

こ、これは!

知らないうちに、部長に期待を持たせていた!?


「倉本、この後……」

「すみません。私、用事があって!」

先手必勝で、私は部長の誘いを断った。

「本当にすみません。来週だったら、時間が作ります。」

割と真面目に言ったのに、部長は大笑いした。

「あーあ。本当に倉本は、面白いよな。」

「部長!?」

もしかして、私……

部長を傷つけた?


胸がズキズキと痛い。

そんな私の背中を、部長は軽く押してくれた。


「いいんだよ。さあ、帰るぞ。」

「……はい。」

時計をチラッと見る。

7時30分。

8時には、少しだけ早い。


どこで時間を潰そう。

そんな私を尻目に、部長はフロアの電気を消し、ドアの鍵を閉めた。