「小暮さんと二人でいるなんて、尚太君に申し訳ないと思わないんですか！」

「へっ……」

「へっじゃありません！紗和子さん、尚太君と結婚するんでしょ！」

すると小暮さんと紗和子さんは、顔を見合わせて、大笑いし始めた。


「どうして笑うんですか！」

「だって、可笑しいんだもん。」

そう言って、また大笑いしている。

「えっ？何？それ、尚太が言ったの？」

「……はい。」

「ははははっ！」

小暮さんもお腹を抱えながら、笑っている。


「まあ、確かにね。尚太にはプロポーズされたわね。」

「えっ！？」

いざ本当の事を聞くと、気を失いそうになる。

「でもね。」

「紗和子さん、ストップ。」

後ろから、尚太君の声が聞こえてきた。


「尚太君！」

「人の話は、最後まで聞こうね、心。」

尚太君は走って来たのか、息を切らしながら、私の肩を叩いた。