Dangerous boy

でも尚太君は、黙ったままだ。

「えっ?何?心はいいの?」

環奈は、私と尚太君を交互に見てる。

こう言う時の環奈は、勘がよく働く。


「どういう事?尚太。」

意を決した尚太君は、何かを言おうとしていた。

「待って、尚太君。」

それを私が止めた。

「私が、直接言うから。」

そして大きく息を吸った私は、環奈の方を向いた。

「なに?」

環奈もこの状況に、身構えている。


「実は私達、付き合ってるんだ。」

「えっ……」

「黙っていて、ごめん。」

私が環奈に頭を下げると、私の頭に冷たい物が流れた。


「何やってんだよ!」

尚太君は、急いでタオルを持って、私のところへ来てくれた。

「大丈夫?心。」

私の髪を、丁寧に拭く尚太君の姿を見て、環奈はカクテルグラスを、勢いよくテーブルに置いた。


「いくら貢いだの?」

私は環奈の方を向いた。

その顔は、私の知っている環奈じゃなかった。