Dangerous boy

「有難うございます。」

私は今日の感謝の気持ちを込めて、深く頭を下げた。

「いやいや。」

そして小暮さんの元に、一人綺麗な女性が、近づいてきた。

私の方を見て、ニコッと笑っている。


私の勝手な考えなんだけど、あの人が紗和子さんなんじゃないかなって思った。

とても綺麗な人。

私もニコッと笑った。


将来、尚太君と結婚する事になっても、あの人なら上手くやっていけそう。

なんて考えるのは、まだ早かったかな。


そんな時だった。

カウンターの奥から、聞き慣れた声がした。

「心!」

振り返ると、カウンターに環奈が座っていた。

「環奈……」

思わず後ずさりをする。


その環奈の目の前には、尚太君がいた。


「どうしたの?心。一人で来たの?」

「う、うん……」

どうしよう。

環奈には、尚太君と付き合ってる事、言ってない。

「こっち来て、一緒に飲もうよ。」