Dangerous boy

確かに怖かったけれど、それは私の為だって、信じられる。

「で、言いにくい事聞くけど、押し倒されただけ。」

「はい。」

「そうか。じゃあ、知り合いって言う事もあるし、警察に行っても、取り合ってくれなさそうだな。」

私は、小暮さんの腕を掴んだ。


「あの……私、そんな事まで考えてません!」

「心ちゃん……」

私は小暮さんから手を放し、両足を抱え込んだ。

「実は、相手の人……私の上司なんです。」

「えっ!会社の人!?」

私は小さく頷いた。

「私の事が好きだって、付き合ってくれって言われていて……でも私、尚太君が好きだから、断ったんです。」

「それで?相手が逆上したの?」

「逆上って言うか、相手が尚太君の、悪い噂聞いて……あんな奴止めろって言ってきて……」

「あちゃー。」

小暮さんは、額をペシッと叩いた。


「でも、噂は噂だって……悪いところばっかり、見ないでほしいって、私言って……」