Dangerous boy

その時だった。

お店のドアが開いて、尚太君が入って来た。

「心……」

私を見た尚太君は、急いで私の元に来て、ぎゅっと抱きしめてくれた。

「あの……尚太君?」

「ごめん、心。違うんだ。」

何が違うのか、私にはさっぱり見当もつかず、そのまま抱きしめられたまま、尚太君の言い訳を聞く事になった。

「俺、親と一緒に住んでて、友達もあまり、家に呼ばないんだ。」

「そう……だったんだ。」

「でも心だったら、親に紹介してもいいかなって、思って……」

私は、尚太君の体に腕を回した。

そんな事聞いたら、途端に愛おしくなる。


「私こそ、ごめんね。そんな事も知らないで、変な事言っちゃって。」

「ううん。」

先走り過ぎた自分に、喝を入れたいくらい。

付き合っていて、そんな事も知らずに、家に行きたいなんて、言ったのか!ってね。


「それでさ、心。お願いがあるんだけど……」

「なあに?」