Dangerous boy

そして次の日、私は夕方、sunsetを訪れた。

無論、尚太君に会う為。

昨日は来れなくてごめんと、私から謝ろう。


「ああ、心ちゃん。」

振り返ると、オーナーの小暮さんが、お店に向かって歩いて来ていた。

「小暮さん。お疲れ様です。」

「いやいや、まだ疲れてない。これから。」

社交辞令の挨拶に、こんな返し方するなんて、面白い人だなって思う。

「ちょっと待ってね。店、開けるから。」

小暮さんは、私よりも先に階段を駆け上がり、お店のドアを開けてくれた。

「有難うございます。」

私がお店の中に入ると、小暮さんはキッチンの方へ、行こうとした。


「あっ、そうだ。心ちゃん。」

「はい。」

小暮さんの方を見ると、彼は何か言いたげに、頬をポリポリ掻いていた。

「あのさ……尚太の事なんだけど。」

「はい。」

ドキッとした。

もしかして昨日の事、小暮さんに知られてる?