Dangerous boy

「どうしたの?具合悪いの?」

私は、頭を横に振った。

「……で?どうだったの?尚太君は?」

友達の口から、そんな感想を聞くなんて、自分は何て馬鹿なんだろうと思った。


「よかったよ。」

案の定、胸の中でモヤモヤした物が、生まれる。

「基本、尚太は優しいからね。女を抱く時も優しいんだよ。」

「そうなんだ。」

私はいけないと思いつつ、鼻で笑ってしまった。

「あーっ、笑ったな。」

「ごめんごめん。」

無意味に、手を合わせてしまう。


「そう言うとこ、大事なんだよ。」

「そうだね。」

話を合わせて頷いたところで、環奈は部長に呼ばれた。

「何だろう。」

浮かない顔で部長の元に行った環奈だけれど、直ぐに仲良く笑っている。

これはもしや、二人がそう言う関係になるのって、環奈の嘘ではなくなるかもしれないと、私の中で考えが浮かんだ。

と同時に、環奈への嫉妬があふれてくる。