試験が終わって2週間後、また一階のホールに順位表が貼り出された。

朝のHRまでに十分に時間があるため、表の前は生徒で溢れている。


荷物を教室に置いた後、慧莉は一葉に連れられ、人混みを上手く進み、表が見える位置まで来た。

「あっ………。」
1の数字の隣に山本 准弥の名前が記されていた。

「凄いね、山本君。」

慧莉が呟く。


「慧莉、何を言ってるの!?貴方も十分凄いよ!」
慧莉が一葉の顔を見る。

一葉は“よく見ろ”というように表を指差す。

慧莉は再び表に視線を戻す。

そして首を傾げる。


「山本君の下を見てみなさい!」
痺れを切らしたように一葉が言う。

山本 准弥の下に記されていた名前は
―織原 慧莉。


「ん?」
「ん?じゃないよ!」
間抜けな声を出した慧莉に一葉が叫ぶ。

「2位だってば!」


―……………っ!?


「ほぇ~!!!」
「何?その反応は!」
一葉は容赦なく慧莉の頭を叩いた。

「痛いっ!」
「ボケっ!」

―!!

「すいません…………。」

外見からは想像もつかない言葉を発せられ、思わず慧莉は謝る。