私はいつの間にか眠りについていたらしく、ドアをノックされる音で目が覚めた。


「一葉ちゃん、ご飯よ。」

あの女だ。


「………。」

返事をするのも面倒臭い。

私はそのままベッドから動かない。


返事がないと女は続けて言う。

「一葉ちゃん?入るわよ?」

「…………。」

ガチャ。

私は即座に布団を被った。


許可も出してないのに、入ってきやがった。


「一葉ちゃん?大丈夫?」


「……………。」

未だに返事をしない私。

すると女がいきなり布団を捲る。

「何すんだよっ!」

私はガバッと起き上がり女を睨み付けた。

「ごめんなさいね、返事が無いものだから。」

「私の物に触れるなっ!」

女はパッと布団を離す。

「一葉ちゃ」
「私の名前を呼ぶな!」

一回女は溜め息をついた。

そして懲りずに

「ご飯だから来なさい?」

と言った。

「誰がお前のご飯なんか食べるかよ!」


女はさっきよりも長い溜め息をし、開きっぱなしだったドアを閉めると、いきなり私の髪を掴む。

「っ!」

苦痛で顔を歪ませた。

「いい加減にしなさいよ。」