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「美結…ごめん……」

学校に行くと、唐突に月華が謝ってくる。何かあったっけ?

「昨日文化祭の実行委員決めがあって」

嫌な予感がする。昨日は少し熱が高かったから学校を休んだのだ。

「美結の分、私が引いたんだけど…その…当たっちゃってさ…」

「まじか…」

「本当にごめんね〜…普段はくじなんて当たんないのに…」

「大丈夫だよ。結局誰かが引き受けなきゃなんだからさ」

「みゆう〜!!ありがとう〜!!」

勢いよく月華が抱きついてくる。なんだか妹っぽくて可愛い。

「ちなみに男子のペアは林田くんだよ…」

「はやしだ…?あぁあの人気な人」

「え、めっちゃ美結冷静じゃん〜、林田くん、イケメンだけどめっちゃ塩だしやる気ないらしいよ?性格残念」

「そうなんだ〜」

私はただ、業務をこなせばいいだけだから。部活に行けないのが遅れちゃうのが嫌だけど。

「部活では林田くん真剣でほんとに格好良いのになぁ…」

「なんで月華が林田くんの部活こと知ってるん?」

「いやなんで美結は知らないのよ…バド部だよ?林田くん。」

「ふぇ!??」

はやしだ、林田…希翔……あ、いた気がする。先輩たちがイケメンきた!!って興奮してたような気がする。

「…思い出した」

「その前になんで忘れてるのよ」

「うーん…男子に興味が、ない?関わりないし。」

「おーい…JKー…」

本当に興味と関わりもないのだ。例え私に好きな人が出来たとしても、「あのこと」がきっと脳裏をよぎってしまうし、「あのこと」が私を縛って、相手のことも縛ってしまうがするのだ。

「青春は彼氏だけじゃないっ」

「そうだけどさ〜」

「青春は彼氏だけじゃないっっ!!」

自分に言い聞かせるように、高々に言い放った。