「ありがとう」

キャサリンがお礼を言って紅茶を受け取ると、「イギリス人って本当に紅茶が好きだよね〜。コーヒーの方がよくない？」とアメリカ人の友達のエイミーが言う。

「私は紅茶好きよ。イギリスの紅茶ってとてもおいしいもの！」

日本人の友達、みずきも紅茶を出し笑った。

キャサリン、エリカ、エイミー、みずきの四人は中庭にテーブルや椅子を出してティータイムを楽しんでいる。テーブルの上には、紅茶やコーヒー、そしねたくさんのお菓子が用意されていた。

「エイミー、そのお菓子は何？」

エリカがエイミーの食べているケーキを指差す。エイミーの食べているケーキは真っ青だ。

「ケーキよ。食べる？」

「いらない」

キャサリンたちは同時に言い、クッキーやフィナンシェに口をつける。エイミーは「おいしいのに〜……」と言いながらケーキを食べ続ける。

「そういえば、もうすぐ十月三十一日のハロウィンね！サバトが楽しみだわ」

みずきがそう言うと、「そっか、もうすぐだったわね」とキャサリンが言う。

サバトとは、魔法使いたちの祭りのことだ。今年はハロウィンの日に開催され、イギリスの街に世界中から魔法使いたちが集まってくる。