その時、低い鐘の音がキャサリンの耳に届く。授業の予鈴だ。キャサリンは慌てて言う。

「大変!授業に行かないと!!」

「わかった。準備する〜……」

ハリーはやっと起き上がり、教科書を準備する。こうしている間にも時間は過ぎていく。寮から教室までは遠い。走っては間に合わないだろう。

「忘れ物はない?」

「うん」

「なら行くわよ」

キャサリンはハリーの手を取り、呪文を唱えた。

「ラーピド!」

その刹那、キャサリンとハリーの目の前の景色がグニャリと歪む。そして目の前に現れたのは、薬草学の部屋。一瞬にして二人は寮の部屋から教室まで移動したのだ。

「さすが優等生!すごいね〜!」

笑顔を見せるハリーに、「今回だけよ」とキャサリンはため息をつく。

授業の始まりを告げる鐘が鳴り、慌てて二人は教室の自分の席に座った。



魔法史、魔法生物学、魔法技術訓練などの授業を終え、ようやく放課後になった。

「今日も疲れたわ」

キャサリンがため息をつくと、「お疲れ様!ツァイ!」とキャサリンの友達でドイツ人のエリカが紅茶を魔法で出した。