次に現れた檻に入っていたのは、金髪に青い目の少年だった。歳は七歳くらいだろうか。

「二十万ユーロ!!」

「いや、三十万ユーロだ!!」

また人間を手に入れようと、黒いフードをかぶった人物たちは叫ぶ。キャサリンは人身売買の様子を見て、フツフツと怒りが込み上げてきた。

どのようにして、人間を連れ去ったのかはわからない。しかし自由を奪い、物のように人を扱うその光景に、キャサリンは自分の感情を抑えられなかった。

「フラーモ!」

キャサリンが叫ぶと、ステージと人々の間で巨大な火柱が上がる。悲鳴があちこちから響き、誰が魔法を使ったという騒ぎになった。

「人をこんな風に扱うなんて信じられない。あなたたちのことを、同じ魔法を使う者として軽蔑するわ」

キャサリンはそう言い、黒いフードを脱ぎ捨てる。敵の数は多いが、キャサリンは余裕の笑みを浮かべていた。

「なっ!!誰だ貴様は!!」

「捕らえろ!!」

黒いフードの人物たちは、一斉にキャサリンに向かって拘束魔法を放つ。それをキャサリンは「ペレテ!」と言い弾き返した。拘束魔法はキャサリンではなく黒いフードの人物たちを拘束していく。