「なるほど……。闇の魔法を使ったのね……」

キャサリンはあごに手を当てて呟き、自分自身に「チャンヨウ！」と魔法をかけた。その刹那、キャサリンは黒いフードをかぶった姿になる。

「この姿の人が集う場所へ連れて行って！ライラ！」

キャサリンが呪文を唱えると、黒いモヤがふわりとキャサリンを包んだ。



キャサリンが目を開けると、そこはドクロの置物などが置かれた薄暗く気味の悪い部屋だった。広めのステージの周りに黒いフードの人物が集まっている。

何が始まるのかゴクリとキャサリンが喉を鳴らした刹那、パッとステージの明かりがつき、黒いフードをかぶった男性が姿を見せる。

「お集まりの紳士、淑女の皆様！ようこそ闇の取引所へ！！今年もいい商品が揃っています！！ぜひお買い求めください！！」

ここが販売禁止のものを売買している場所だとキャサリンはすぐに気付く。そして、警察に先に通報しておくんだったと後悔した。