魔法史の授業の内容がふとキャサリンの頭に蘇る。それはサバトについてのことだった。

サバトの日は、魔法使いたちが集い賑やかで華やかな一日となる。しかしその裏では、大きな犯罪が発生したこともあるのだ。警備が手薄になった時を狙う者は少なくない。

もしも、あの明かりが犯罪につながっているとしたら……。キャサリンはその考えを捨てることができなかった。

「ちょっと行ってくるわ」

キャサリンは首を傾げるハリーにそう言い、森の中へと走っていく。ハリーが「キャサリン！！」と呼び止めたが、聞こえないフリをして走った。

明かりがあった場所は、一見すると普通の森の中のように見える。しかし、キャサリンは微かな魔力を感じた。誰かがここで魔法を使ったのだ。

「フリーニャ！」

真実を教えてくれる魔法をキャサリンは使う。その刹那、頭の中に映像が流れ込んできた。黒いフードを深くかぶった数人の魔法使いがここで呪文を唱えた。黒いフードの人物たちは消え、いつもの森が映る。