少し腰を浮かせて身体を動かしたら。
「……いーの?動いて。少しでも動いたら杞羽の唇に触れちゃいそうなのに」
「っ、そんな、こと……」
近い、近い、近すぎる。
先輩がこんなふうに暴走するときは珍しくないけれど、今はおふざけという感じがない。
「……それとも、これくらいで気持ちいーから身体が反応してるとか?」
「っ、ち、ちが……っ」
「今は否定してればいーよ。
そのうち身体から力が抜けて、もっと可愛い反応してくれるだろうから」
もう頭の中は混乱状態。
嫌なら嫌だって、はっきり言って逃げ出せばいいのに。
なぜか、逃げ出すって選択肢が頭の中にない。
「……もっと杞羽の身体に甘いことしてあげる」
部屋着のボタンが上からどんどん外された。
首筋に唇を這わせて、舌でツーッと舐めて。
甘すぎるくらいの刺激に耐えられなくて、ベッドのシーツをギュッと握った。

