「身体目当て……って言えるほど俺好みではないけど」

ほらぁぁ……。
遠回しに貧相な身体には興味ないよって言われたようなもんじゃん。


地味にグサッときたし、どうしてくれるの。


先輩がわたしに興味ないのは百も承知だけど、さすがに落ち込んだ。


でも。



「……まあ、嫌いじゃないけど」


ほら、ずるい。

思いっきり下げてきたと思ったら、うまい具合に少し上げてくるから。



「はぁ……なんかわけわかんねー、お前ら2人。付き合ってるにしては甘い感じの雰囲気ねーし。でも杞羽のバカ正直なリアクションからホントっぽさもあるし」



わ、わたしそんなわかりやすい反応してるのかな。
幼なじみの千里だからわかる、みたいなものじゃなくて?


「とにかく、今日のところはこれで帰るけど。俺はまだお前がこっちのほうに帰ってくるの諦めねーからな!!」


なんてセリフを残して、嵐のように去っていった。