「そのまさか。杞羽の身体のことなら俺のほーがキミより知ってるよ?」
「なっ、し、信じられねぇ……」
「なんなら、今ここでキスのひとつでも見せてあげよーか?」
えっ、ちょっ!!
そんなパフォーマンス的なのいらないから!!
なんて思っている間に、
先輩の顔がグイグイ近づいてくる。
「ちょ、ちょっ、本気でするんですか!?」
千里に聞こえないようにボソボソと聞いてみたら。
「これくらいしないと信じてもらえないんじゃない?」
「いやいや、でも……っ」
近づいてくる顔を両手で必死に押し返す。
「それに……杞羽の唇食べてみたいし」
親指でゆっくり形を確かめるように唇をなぞってくる。
この動作にすら心臓がうるさくなって、おまけに身体中の血液が顔に集中してるみたいに、どんどん熱くなって赤くなっていく。
「な……っ、ぅ……」
どうしたらいいのかわかんなくなって、目をつぶった直後。