「いや、つーかよく考えてみたら来るの早すぎね?しかもコイツがっつり寝起きじゃねーかよ」
「だ、だって隣に住んでるもん」
「はぁ!?と、隣ってお前の部屋の隣にコイツが住んでるってことかよ!?」
「そ、そうだよ。同じ学校の先輩で、最近付き合い始めたの」
わざとらしく、先輩の腕にギュッと抱きついてみる。
すると千里は、あり得ないって顔をしてそのまま頭を抱えてしまった。
「嘘だろ、信じられねー……」
まさか本当に彼氏を連れてくるとは思っていなかったのか、かなり落ち込んでる様子。
「……ねー、杞羽。コイツが幼なじみ?」
「あっ、そうです。幼なじみの木野千里くんです」
「へー、木野クンね」
一瞬、フッと笑ったような気がして、
そのままわたしの肩を自然と抱き寄せてきた。
「なっ!!お、お前、杞羽に気安く触んなよ!つかお前、本当に杞羽の彼氏なのかよ?」

