「お、お待たせ。ちゃんと彼氏連れて来たよ」
イスに座って呑気にお茶を飲んでいた千里がこっちを見るなり、ギョッとした顔をした。
かなりびっくりしてるみたいで、衝撃を受けているっぽい。
「は……?えっ、マジかよ。ホンモノかよそれ」
「ホンモノだって。ちゃんと正真正銘、わたしの彼氏だもん」
「え、人間かよそいつ。ユーレイとかじゃねーの?」
「違うよ、ちゃんとした人だもん。足だってちゃんと地面についてるでしょ?」
先輩の身体をペタペタ触って、ちゃんとユーレイじゃないことを証明してみる。
「ユーレイじゃないとしたら、今そのへん歩いてた男捕まえてきたとかじゃねーのか?」
「な、なんでそうなるの!ってか、見知らぬ人を連れてくるほどバカじゃないもん」
いまだに疑いの目を向けられている。

