お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。




それに、彼氏がいるなんて嘘だし。
でも、もしかしたら本当に彼氏らしき人がいれば千里は諦めて帰ってくれるかもしれない。


けど残念ながらわたしには男の人の影はまったくないに等しい━━━━いや、ちょっと待てよ。


ポンッと思いついたイケメンの顔。


こうなったら、利用できるところはとことん利用させてもらおう。



「わ、わかった。彼氏をちゃんと連れてきたら千里は納得してくれるの?」


「ああ。ちゃんとしたホンモノの彼氏がお前にいるならな?」


ぬぅぅぅ。
ぜったい彼氏がいるっていうの嘘だと思ってるに違いない。


顔が言ってるもん。
彼氏連れてこれるもんなら連れて来いよって。


それならこっちだって策はあるんだから。


「じゃあちょっと待ってて。今すぐ連れてくるから」


こうしてわたしは部屋を飛び出した。