なのに、気づいたら逃げられない、逃がしてくれない。
またしても、先輩のドキドキペースにはまりそうで、自分って本当に学習能力ない。
つかまれていた手首に力が込められて、そのままソファのほうへと引かれた。
身体のバランスを崩して、とっさに片膝をソファについた。
な、なんかこれだとわたしが先輩に襲いかかろうとしてる……みたいに見えちゃう。
「ひとつイイコト思いついた」
「イイコト……?」
えっ、先輩の顔見る限りぜったいイイコトじゃなくない?
明らかに何か企んでるようにしか見えないけど。
そして案の定、とんでもない爆弾を落としてきた。
「胸が大きくなる方法知ってるから教えてあげよーと思って」
は……??
は……??
またしてもデリカシーない発言。
しかも、まったく悪びれた様子なし。

