「んー、別になんもないけど。
杞羽のそーゆー優しいとこ好き」
ザワザワと胸の奥が騒がしい。
相手にしちゃいけない、本気にしちゃいけないのに、バカみたいに先輩の言葉に踊らされてばかり。
「将来お嫁さんにするなら杞羽がいい」
「っ、!」
ぬぅぅ、最悪……。
動揺しすぎて、手に持っていたお箸を離してしまった。
ぜったい本気じゃないのに、軽い気持ち……というか、冗談で言ってるのはわかってるのに。
こんなこと言われて、
ドキドキしないほうが無理……っ!
ものすごく単純すぎる自分が嫌いになりそう。
「……たまに可愛い反応も見せてくれるし」
「ひゃぁ……っ」
耳元に息を吹きかけられて、
変な声が出るし身体は跳ねるし。
「ほんといい反応するね」
「も、もう……っ!先輩はあっちで座って待っててください……!」

