「それはダメだね……杞羽チャン」
ほら、また呼んだ。
いい加減ここから早く逃げたいのに。
「危機感なさすぎだよ、俺も男なのに」
「せ、先輩が男の人なのは知ってます」
あぁ、もう。
ドキドキ心臓うるさくなりすぎなんだってば。
「もし俺以外の男だったら軽く手出されてるよ」
顎のあたりに指を添えられて、そのままクイッと上げてきた。
「でも残念。俺は杞羽には欲情しない」
「よ、よくじょ……っ!?」
「だって胸小さいし」
ひ、人が気にしてることをまたしても……!!
サイテー、サイテー!
やっぱり先輩は女の子を身体でしか見てないクソ野郎だ!!
「貧乳で悪かったですね!!先輩なんてお風呂で溺れて茹でられちゃえ、バカッ!!」
なんてことを言って、自分の部屋に帰ってやろうと思ったけどごはんを作ってあげないと先輩が飢え死にしたら困る。

