先輩が距離をはからずにグイグイ近づいてくるのは、たまにわざとやってるんじゃないかと思っちゃう。
わたしは近くにいるだけでこんなにドキドキしてるのに。
先輩は全然平気そうで平常運転。
「……んじゃ、明日も来る?」
「え?」
「お風呂。どうせすぐ直んないでしょ?」
「あっ……、もし先輩が迷惑じゃなければ」
「全然いーよ。杞羽が期待してるラブハプニング起こってないもんね」
「はい??」
えっ、いや期待してないんですけど!?
というか、かなり危ないことしてきたじゃんさっき!
や、やっぱり明日もお風呂を借りに来るのは危険な気がしてきた。
「せっかくだから起こしてみる?ハプニング」
「だ、大丈夫です、結構です…!!」
こうしてこの日の夜は部屋に戻った。

