お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。




表情は相変わらず何を考えているか読み取らせてくれない、崩れない。


「……ダメって顔してないけど」

「っ、」


「そんな真っ赤な顔して、潤んだ瞳で見つめて」


自分が今、先輩の瞳にどう映っているかなんてわかんない。

というか、知りたくない。



「……なんか久々にクラッときたかも」

「へ……っ」


目の前が突然、フッと暗くなった。


その直後、唇の真横スレスレ……に、柔らかい感触。


視界は先輩の大きな手で覆われたまま。
この柔らかい感触は……おそらく唇が触れた。



思考は停止寸前。

そして、覆っていた手が退けられた。



「……唇は外したよ」

「っ、」


片方の口角を上げて余裕そうに笑う。

そして、親指をグッと唇に押しつけてきた。


「杞羽の唇やわらかくて食べたら甘そう」


なんて言いながら、その親指を今度は自分の唇にあてる色っぽい仕草。


……ぜったいぜったい確信犯。