な、なななんでこんなタイミング悪いの……っ!
あとちょっとだったのに!!
「いや……えっと、これにはいろいろ事情があって!も、もうあの、ここから去るので!!」
袋を持って立ち上がり、急いで脱衣所に行こうとしたんだけど。
「へぇ……杞羽はダメな子だね」
「へ……っ?」
な、なんでか先輩がこっちに迫ってきて、
わたしの目の前に立った。
「男の家でこんな無防備な格好でいるなんて」
「ひぇ……っ」
腰のあたりに腕が回ってきて、
いきなり先輩の身体がほぼ目の前。
な、なんでこんなことに。
バスタオル1枚しかまとっていない、
とても危険な状況。
でもでも、先輩はわたしみたいな幼児体型には興味ないはずだから、何もしないと思うのに。
異常なくらいの緊張と、近すぎるこの距離のせいで心臓がフルに動き出す。

