「最近杞羽ってば遅刻すれすれじゃん。さては春瀬先輩とイチャイチャしてるんだな、まったく」
「いやいや違うし!しかもそれ、あんまり大きな声で言わないで!!」
沙耶には、春瀬先輩が隣に住んでいて、最近になって先輩のお世話をしていることを唯一話している。
相談に乗ってもらえるのかと思いきや、からかう材料にされてしまって毎朝こうやって茶化してくるから勘弁してほしい。
「まさかの隣人がスーパー頼りになるおばちゃんじゃなくて、あの学校でもかなり有名なイケメン春瀬先輩だったとはねー」
「うぅ……頼りにするはずが頼りにされてばっかだよ」
「でも先輩は杞羽に懐いてるんでしょ?」
「懐いてるっていうか……。なんか息子ができた気分」

