部屋のど真ん中にドーンっと置かれたベッドが少しだけ山になってるのが見える。
……寝てる。
もうっ、ちゃんと先輩が起きられるように毎日スマホのアラームをセットしてあげてるのに!
止めて寝てるに違いない。
「せんぱい!!起きてくださいっ!」
ガバッと布団をめくると、いつものごとくお気に入りの抱き枕を抱きしめて眠る先輩がいた。
「もうっ!いい加減起きないと遅刻しちゃいますって!」
身体をゆさゆさ揺すっても全然起きない。
こうなったら抱き枕を取り上げるしかない。
「うぅ、なかなかしぶとい……っ」
取り上げようとしたら、なかなかの力で抱きしめてるから全然取れない。
「ん……、」
すると、ようやく眠りから覚めてきたのか先輩がゆっくり目を開けた。
眠そうで、目がとろーんとしてて。
少しだけ寝癖がついてて。
でも、そんなゆるい姿ですらイケメンに見える……って、違う違う!!