季節はあっという間に冬を迎えた。


気づけば、マフラーや手袋が欠かせないくらいに寒くなってきた12月。



「せんぱい、起きてください」


先輩の部屋で過ごす毎日は数ヶ月前とは変わらない。


毎朝、いちばんに暁生先輩の顔を見て、夜寝る時も一緒に眠るのも変わらない。



「ん……、さむ……」


「寒いけど頑張って起きてください。今日で学校終わりですよ?」



「サボりたい……。ってか、杞羽のこと抱きしめてるだけでいい」


「もう、ダメです。ちゃんと起きなきゃ遅刻しちゃいます」



先輩の腕の中から抜け出して身体を起こすと。



「……え、うわっ」


身体ごとグイッと引っ張られて、あっけなく先輩の腕の中に逆戻り。



「……俺のことひとりにしないで」


暁生先輩の
わがままは相変わらず━━━━。