「それで、暁生は杞羽ちゃんのどんなところが好きなのよ?」
えっ、ど直球すぎませんかお母さん。
わたしですら聞いたことないのに。
チラッと横目で先輩を見てみたら。
「んー……ぜんぶ」
わたしの肩にコツンと頭をのせて、おまけに指を絡めてギュッと握ってくるのは確信犯。
し、しずまれわたしの心臓の音……!
不意打ちのぜんぶはずるいよ……っ!
「あらあら、杞羽ちゃん顔真っ赤になっちゃってるじゃないっ!」
「え、あっ……うぅ」
「照れてる姿が初々しいわね〜!」
先輩みたいにフツーの顔して、フツーに喋りたいのに全然できない。
ってか、お母さんの前なのにこんなベッタリしてたら恥ずかしいじゃん……!
「こんな可愛い子が彼女だなんて、暁生はすごく幸せね〜」
「やっ、えっと、わたしなんてそんな……っ」
「謙遜してるところもまた可愛いんだから〜!」

