クッションを抱えて、つまんないって顔になった。
「……杞羽と2人で過ごしたかった」
「へ……っ?」
「……めちゃくちゃ抱きしめて息できないくらい苦しいキスしたかった」
「んなっ!!
ここでそんな話やめてくださいっ!!」
なんともない顔して、そんな爆弾発言落とさないでよ……!!
グッと腕をいきなり引かれて、先輩が座るソファの隣に。
ここが実家で、お母さんもいるのにグイグイお構いなしに近づいてくる暁生先輩。
「……なんなら、今ここでする?」
「な、何言って……」
「俺、けっこー本気」
「ダメですダメです、ぜったいダメです!!」
今こそ流されちゃいけないと思って、全力で拒否して近くにあったクッションを先輩の顔面に押し付ける。
「俺クッションとはキスしたくないんだけど」
「い、今はダメです……!」

