「今お菓子と紅茶でも用意するから、よかったらゆっくりくつろいでね?」
リビングに通してもらって、暁生先輩のお母さんがルンルン気分でキッチンのほうへ。
ってか、やっぱり暁生先輩の家お金持ちじゃん。
リビングものすごく広いし、部屋の雰囲気とか暁生先輩のお母さんの趣味なのか、可愛いものばかりが置かれている。
「あっ、わたしも手伝います……っ」
「いいのよ〜。杞羽ちゃんはお客さんなんだからゆっくりしててちょうだい?」
ゆっくりって言っても、慣れない雰囲気だから全然くつろげる気がしない…!
そんなわたしに対して、暁生先輩はふかふかのソファにドンッと座って、相変わらず何を考えてるのかわかんない表情をしてる。
「はぁ……やっぱ母さんのテンションってだるい」
「えぇ、明るくてきれいで、とてもいいお母さんじゃないですか!」

