お隣のイケメン先輩に、365日溺愛されています。




まだ心の準備ができてないのに、玄関の扉に手をかけようとしてる先輩。



「えっ、あっ先輩待ってくださいよ……っ!」


「杞羽キンチョーしすぎ」


「へ……、っ」



軽く腕を引かれて、顔を覗き込むように一度だけ、わずかに唇が触れた。



「……キンチョーほぐれた?」


「なっ……、先輩のバカァ……」


こ、こんな誰が見てるかわかんない場所でするなんて……!!


真っ赤になってるであろう顔を必死に隠していると、なんの前触れもなく目の前の玄関の扉が開いた。



開けたのは暁生先輩じゃない。

もちろんわたしでもない。



「わぁ、はじめまして〜!!
あなたが杞羽ちゃん?」


中から出てきた、めちゃくちゃきれいな女の人。


なんか菜津さんに似てるような……。

菜津さんをまたもっと大人っぽくしたような。



「あっ、えっと……」


「いつも暁生がお世話になってます〜!
暁生の母ですっ」