「ねーね、杞羽ちゃんはこのあと誰かと一緒に回る約束とかしてるのっ?」
「えっ、あっ、うん。幼なじみが遊びに来てくれるみたいで」
「へぇ〜!それって彼氏とか?」
「あっ、ううん。フツーに幼なじみ…かな」
肝心の彼氏と呼べる人は、文化祭に来てくれるかどうかすら曖昧だし。
せっかくだから、先輩と文化祭回りたかったのになぁ。
わたしはあと2年あるけど、先輩は今年が最後の文化祭になるのに。
「そうなんだ〜!文化祭とか彼氏と回るの憧れちゃうよねっ!」
「そ、そうだね」
なんて会話をしていると、スマホがブーブーと短く鳴った。
たぶん千里かな。
着いたらメッセージしてって言ってあるから。
「あっ、それじゃわたし行くね!」
「うんっ。文化祭楽しんできてね〜」
こうして教室を出て門のほうへ。